何の為に 人生の座標軸

 普段感じたことを雑記にしたり、読んだ本のレビューをしようと思います。関心のある分野はコンピュータから宗教まで! 山口県山口市在住(出身:同県下関市)  1969年生まれ  IT部署に勤める会社員  子育て真っ最中!猫2匹同居

タグ: 自然エネルギー

 福島の原子力災害が続いている中、インターネットの中では原子力についての議論が交わされている。また、反対派はプロパガンダをすすめている。推進派は声をひそめている感じがする。

 2つの選択肢のうち、どちらも受け入れがたい状態を「ジレンマ」という。原子力の問題は、選択肢が3つある状態で「トリレンマ」という。場合によっては「トリレンマ」以上である。

①原子力発電は基本的には危険なものである(制御する)
②地球温暖化の犯人は二酸化炭素といわれており、化石燃料を使わない原子力発電は、二酸化炭素削減の切り札。
③化石燃料(特に石油)は中東に頼っており、エネルギーセキュリティー上多様化が望ましい。
④化石燃料は埋蔵量に限りがあるといわれている。(昔から40年というが・・・)
⑤ウラン燃料の燃えかすを再処理することで、プルサーマル、MOX燃料として利用することができる(プルトニウムを処分しなければならない理由もあるらしいが)
⑥エネルギーの消費の成長は鈍化してきたが、これからもゆるやかに増加していくため、電源が必要である。

 今までは①の危険な原子力を安全に制御できることを担保して、②~⑥のメリットをとってきた。

 今回、①の安全の問題が揺らいだことで、「原子力」という選択ができなくなる可能性がある。しかし、②の二酸化炭素は増やすことができないので、エネルギーの消費を減らすか、二酸化炭素を処分する技術が必要になる。③のエネルギーセキュリティーは、中東依存をやめて、天然ガスにシフトすることで回避できるかも知れない。④化石燃料の埋蔵量の話は、あてにならないので無視。⑤原子力発電所を停止しなければプルトニウムは製造されるので、処分は考える必要がある。⑥は省エネルギー技術が発達するか、日本の経済成長を停止することで実現できるかもしれない。

 一般に言われることであるが、代替エネルギーを太陽光や風力に求めるのは難しい。自然エネルギーは天候に影響されるので安定性に欠けること、エネルギーの変換効率が悪いことからである。100万kWの原子力発電所1基分のエネルギーを作るには、太陽光であるならば山手線の内側の面積と同じスペースに太陽光パネルを取り付ける必要があるようである。風力であれば、山手線内側のスペースの3.5倍で4,000基の風車が必要になるようである。(http://www.tepco.co.jp/nu/qa/qa01-j.html

 もちろん、自然エネルギーはもっと活用されるべきであり、今後、スマートグリッドなどの送配電ネットワークがITで整備され、分散型電源は増えると思います。しかし、これも大型電源というものがベースにあって、電力のピークをカットするという使われ方になると思うのです。エネルギーの変換効率があがっても、大きな技術革新がなければ、自然エネルギーだけではまかなえないのが現実ではないでしょうか。

 それならばどうするか。安全を犠牲にはできない、環境を犠牲にはできない、経済成長もしたい。原子力の問題はトリレンマなのです。

 福島の原子力発電災害をよくみて、日本国は「選択」をしなければならないのです。

 原子力発電について思うことを書きたいと思います。

 まず、根本的な問題として、原子力発電は国策であり、電力会社など一民間企業に責任を負わせる問題ではないということです。Co2の削減、エネルギーのベストミックスなど、国が責任をもって、国が主体でやって欲しいです。あるは原子力発電所の立地・建設は国が行って、運転は電力会社に委託するという方式でもよいと思います。

 また、原子力発電所立地に対する交付金というのもよく考えて欲しいです。アメとムチといいますが、アメの部分が麻薬のようになる話も聞いています。このアメで地域振興の推進派と反対派の構図ができている気がします。

 また、原子力発電のロードマップを国に示してもらいたいと思います。Co2の問題、エネルギーセキュリティやベストミックスの問題で、原子力発電が日本にはどうしても必要であること。たとえば、これをマニフェストに入れたりして、国民的議論にして欲しいです。自然エネルギーといっても、不安定な風力や太陽光では電力がまかなえないことは、わかっていることです。

 原子力発電所反対派の方へ。アレルギー的な部分はやはりあると思います。日本から原子力発電所をなくせばよいのか、世界から原子力発電所をなくせばよいのか。あるいは単に地元の海に原子力発電所をなくせばよいのか。そのあたりを説明して欲しいです。

 電力の消費量は鈍化しています。Co2が地球温暖化の原因かといえば、そうともいえないという学者もいます。自然エネルギーは原子力の代替になるほどの出力はありません。原子力は正しく制御すれば、安定したベースの電源になります。原子力発電所の燃料は再利用することができますが、まだ不明な部分があります。(プルサーマル)石油は40年といわれますが、20年前から40年といわれていますし、埋蔵量は不明です。

 そんな状況であるから、一民間企業が推進派と反対派にはさまれる構図は面白くありませんし、政治主導で、政治決断で原子力をすすめて欲しいと思います。また、一民間企業での原子力発電所の運転が信頼できないのであれば、「日本原子力発電機構」とか作ってもいいので、原子力発電所で作った電気を電力会社に売る仕組みを作って欲しいです。

 テレビのニュースで推進派と反対派、電力会社の姿を見るたびに、あるべきところに落ち着けばいいなあと思います。

 正解は「原子力発電の推進」でもありませんし、「原子力発電の反対」でもありません。国民の意思や同意と、日本国の覚悟です。

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