何の為に 人生の座標軸

 普段感じたことを雑記にしたり、読んだ本のレビューをしようと思います。関心のある分野はコンピュータから宗教まで! 山口県山口市在住(出身:同県下関市)  1969年生まれ  IT部署に勤める会社員  子育て真っ最中!猫2匹同居

タグ: エネルギー

 東京電力の株価が500円の額面を割って、466円の前日比100円のストップ安となった。3月11日の終値は2、121円であり、急降下して額面割れである。

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 時価総額は3兆4599億円から7488億円まで減少したことになる。しかし、福島の原子力の問題は収束方向になく、目途すら見えない。買いの要素が見えないので、このまま売りで値を下げるのか、ハゲタカが安くかってしまか・・・。

 東京電力の株価もだか経営不振は、いろいろなところで影響があるだろう。投資信託などで、電力株は安定している株なのでリスクのヘッジに使われているだろうし、公社債投信などは電力債でも運用している。年金の運用にも使われているかもしれないし、確定拠出年金に影響するかもしれない。また、雇用も単独で36,733人、連結で53,036人で、連結の対象にならない協力会社も多数あるだろう。東京電力の投資が抑制されれば、各種メーカーや工事会社、その下請け会社と、どこまでの影響があるかわからない。

 また、会社の形態も今のままでは、いかないだろうと言われている。(一時)国有化は国も東京電力は現時点で否定をしているが可能性はあるだろう。原子力発電部門を切り離して、そこに公的資金を注入し、補償にあてるという方法も検討されていると聞く。あらゆる可能性が否定できない。また、計画停電も2年続くということなので、東京電力もであるが、関東圏の企業の不振、それから広がる国内全体の不信、国際競争力の低下という経済の負のスパイラルが発生しないとも限らない。

 ちょうど今、「民間企業での存続目指す=経営「大変厳しい」-料金値上げも・東電会長」という会長の記者会見の記事を見た。民間企業での存続を目指すとの意思表明であるが、プラス材料になるのだろうか?

 「原発増設計画見直し」という記事もあり、原子力発電所の新増設は今後困難になるだろうし、場合によっては運転中の原子力発電所の停止ということも迫られるかもしれない。こうなると、予備力があるとはいえ、日本の電力の3割を占める原子力がなくなり、今までのように緩やかに電力の消費量が増えていくような電気の使い方はできなくなるだろう。代替エネルギーとして、太陽光や風力などの自然エネルギーがあげられる。一般には自然エネルギーは不安定である。原子力発電所1基分の100万kWは山手線の内側にパネルを敷き詰める面積が必要という風にいわれている。一説には犬吠埼に風力を建てると東京電力の電力がまかなえるという話が・・・

田中
 今の電気をまかなうのに、そんなに本数はいらないからね。東京電力が東京大学に委託して、犬吠埼に風力発電を建てたらどれだけ発電するかを調べたそうです。そうしたら出てきたデータが「東京電力がまかなっている電気が全部作れます」というものだった。犬吠埼の沖合だけで、だよ。
(中略)
田中 そうしたら東京電力は「そのデータは公表しないでください」と言った。だけど、こっそりとインターネットに公表されていたのを僕は検索して見つけてさ。
 田中優×小林武史 緊急会議(2) 「新しいエネルギーの未来」 ーFEATURE - エコレゾ ウェブより


 何基の風力で、常に安定した風が吹いていて、出力が変動しないで、台風が来ても大丈夫でと思うと、仮に電力が発生できたとしても、大型電源のバックアップがないと風力だけでは無理だろうと私は思うのですが・・・。また、自然エネルギーは現時点で発電コストが高いこともネックになる。応分の費用負担を覚悟する必要がある。ただし、発電コストやエネルギー変換効率はテクノロジーの進歩や量産化することで、大幅に改善できる可能性はあると思う。

 しかし、原子力発電の穴を不安定な自然エネルギーだけでまかなうというのは現実的に無理があると思うので、火力発電の新増設とセットになるのではないか?しかし、その場合は化石燃料の燃焼による二酸化炭素が問題になる。事実上、国際社会に宣言した2020年に1990年比で25%の温暖化ガスの減というのは、火力を増やすと難しいだろう。そもそも、25%も無理があるので、これを見直して、現状維持でという話にすれば、クリアできるかもしれない。

 しかし、短期的には電力消費を抑えなければ、電力不足になる。したがって、経済的にはマイナスの効果となる。長期的には、ライフスタイルの見直しによる電力消費の減、生産活動を下げて電力消費の減、原子力から火力発電への段階的切替という可能性がでるのではないか?エネルギー政策の見直しというのが、どこまで踏み込めるか難しい。もはや原子力発電は「安全」であったとしても「安心」とは国民感情から数年から数十年は思えないだろう。

 もう一つの波及効果が電力業界全体へ及ぼす影響である。すでに原子力については、各社とも新増設を凍結することになるだろう。つぎに電力業界における東京電力というのはリーダーカンパニーなので、東京電力がダメになったとき、どうなるかというのがわからない点である。No2の関西電力がニューリーダーになるのかという点。
 また、電力会社は500kW以上のお客さまに限り電力の小売自由化と発電所は独立の発電事業者が存在するなどの部分自由化にあるが、規制産業であり、地域独占が認められている。また、発電部門と送電部門の分離という論議もあったが、発電と送電が一体出なければ、電力の安定供給ができないということで見送られた経緯がある。
 今回の東京電力のクラッシュで、他の電力会社を含めた今の枠組みに変更が生じるかどうかというのも注目点である。今回、にわかに西日本から東日本に融通できる電力が100万kWであるということが注目を浴びており、この辺も送電部門が分離していないからだと論議になるかも知れない。
 しかし、過去を紐解くと、今の電力会社の体制になる前は、各地域の電灯会社・配電会社と国策会社である日本発送電という体制で、発電所から変電所までは日本発送電、日本発送電から受けた電気を配るのが配電会社で、ずいぶんと昔に民営化して今の形になっている。今から60年前の話であるが・・・。
 あと、民主党がどこまで電力会社に切り込めるかである。民主党の最大の支持母体である連合に電力総連という電力会社の労働組合の集まりがある。民主党の議員の中にも電力会社の労働組合出身のものもいる。そういうところで、電力総連として、連合として、民主党へ配慮を求める動きがあるかもしれない。
 また、地方における電力会社の存在は、●●地方連合会の会長とかいうポジションをしめており、電力会社の不振は地域経済への打撃も大きい。

 いろいろ考えていくと、3.11東北関東大震災に端を発する福島原子力発電所災害事故問題は、東京電力の問題にとどまらず、今後のエネルギー問題、日本経済の問題、電力業界の問題、地域経済の問題といろいろなものが影響することが予想される。いうまでもないが、震災・津波の被災地の問題も同時並行して取り組まないとならない。

 変えなければいけないことは確かだろう。しかし、その前に国民の生命と財産を守るほうが急務だ。ハードランディングよりソフトランディングを望む私は、保守的だろうか?










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 福島の原子力災害のニュースの中で「100%安全ですか?」とか「絶対安全ですか?」などという質問を見る。

 正常な科学者・技術者・設計者であれば「はい」などと答えられるものではない。世の中のテクノロジーに100%とか絶対と言えるものは少ない。

 飛行機の事故遭遇率は0.0009%だそうです。また、全世界の年間航空事故死亡者数は909人、これに対し交通事故の年間死亡者数は、日本だけでも5,500人だそうです(2009年)(http://profile.allabout.co.jp/w/c-27240

 1985年8月12日、日本航空123便が御巣鷹の尾根に墜落しました。乗員乗客524名のうち死亡者数は520名、生存者(負傷者)は4名という大きな事故でした。この事故は、飛行機は100%安全でないことを証明しています。しかし、一度の事故の死傷者は多くても、確率の世界では自動車の方が危険な乗り物です。

 そして、御巣鷹の事故移行も世界の空を飛行機が飛んでいます。

 なぜ、危険な飛行機に乗るのでしょうか?飛行機に乗る利便性というメリットが飛行機が墜落するというリスクを上回るからです。リスクを評価するときに、確率0.0009%というのは十分に安全であると評価するからである。

 また、キャビンアテンダント(最近はスチュワーデスとはいわないらしい)は、飛行機が飛び出す前に、救命胴衣の着用方法や脱出方法などを乗客にレクチャーする。万が一のために。これがリスクへの事前対応だろう。

 原子力発電も同じである。核物質を燃料に扱っているのだから、全く安全なのではない。危険な核物資を安全になるように設計し、管理しているから、リスクが低いのである。原子力発電所が黙っていても安全というのであれば、その考えこそが危険である。

 今までは社会一般に原子力発電所のリスクが相対的に完全に低く、二酸化炭素をださない発電などのメリットの方が多かったから、原子力発電所が運転をしてきたわけでる。

 福島の原子力発電所の事故を受けて、おそらく社会は変わるであろう。それは原子力発電所のリスクが想像上に大きいということがわかったからである。私の住んでいる近くの原子力発電所が事故を起こしたらそうしよう。今度、建設予定の原子力発電所は大丈夫だろうか。そんな社会の疑念がはらわれるまでは、少なくとも新規の原子力発電所の建設は困難だろう。また、定期検査で停止中の原子力発電所の運転開始も、今すぐにはといかないだろう。

 日本の電力に占める原子力の割合は26%である。鳩山元首相が国際社会に約束した2020年までに1990年比で温室効果ガス25%減というのは、●基の原子力発電所の新設が前提である。

 関東圏は電力不足で計画停電が発生している。現に26%の原子力を減らすとなれば、電力が不足するとはいわないまでも、ギリギリのところで運転をすることになるだろう。また、エネルギーはゆっくりと消費が増加している。そうなれば、今までと同じ暮らし・ライフスタイルはとれないだろう。

 また、二酸化炭素の問題がある。地球温暖化の犯人は二酸化炭素ではないという学者もいるが、鳩山元首相が唱えた-25%が国際的な約束になっているので、原子力を単純に火力発電に切り替えるわけにはいきません。二酸化炭素の処理技術などと組み合わせねば。

 また、短期的視点と長期的視点で見なければなりません。短期的視点では、現在の電力不足を解消するために、停止中の原子力発電所を起動することはあっても、運転中の原子力発電を止めるわけにはいきません。それは電力不足による計画停電による損害の方が原子力発電のリスクを上回るからです。

 長期的視点は、福島の問題がおさまってからの話と思いますが、様々な原子力リスクとメリットを比較して、国民が選択をしなければならないと思います。

①今までどおり原子力発電所を選ぶ、新設もしていく
②運転中の原子力発電所は許容するが、新増設は認めない
③原子力をゆるやかに廃止していき、他のエネルギーに切り替える
④即刻原子力を停止する

 中部大学の武田教授の原子力をめぐる人の分類がおもしろい。

①何が何でも推進
②安全な原子力なら推進
③原子力は不安全だから反対
④何が何でも反対

 まさに今は推進派は①で反対派は④が多いと思う。これからは②と③の立場で冷静に話し合い、最終的には選択したなければならない。

 しかも、どちらの選択も正解でも不正解でもない。どちらがより安全か、よりメリットがあるか、難しい選択である。自分たちの時代のため、次世代のため、都会の電力を田舎で作る不合理。そんな矛盾をかかえて、選択しなければならない。

 福島第1原子力発電所の事故(災害)は事態が安定するどころか、日増しに状況が悪くなっていきます。

 時系列で今回の事故の動きを整理しようと思いましたが、あまりに情報が多く、正しく整理できないと思いましたので中断しました。参考にした情報は、「福島原発事故時系列まとめ「福島第一原発3号機中央制御室に明かりがともる」 - ガジェット通信(http://getnews.jp/archives/103636)」という記事です。いろいろな情報をまとめられていますが、3月22日で更新が終わっているのが残念です。
 今後の比較的正しい情報は公式には「原子力安全・保安院(http://www.nisa.meti.go.jp/)」のトップページにある「地震被害情報(第●報)(●月●日●時●分現在)及び現地モニタリング情報」で大局はおさえることができると思います。しかし、正しい(と思われる)情報を入手するには、政府以外の専門家の声のチェックも必要と思います。これは後ほど整理したいと思います。

 さて、現在の状況ですが「格納容器 燃料棒損傷の可能性」、「原子炉圧力容器の弁の損傷の可能性」、「一次冷却水がタービンを回すタービン建屋に高いレベルの放射性物質を含んだ水がたまっている」、「放水口付近から基準の1250倍の放射性物質が検出された」、「残留熱を除去するポンプが使えるまでには、時間を要する」、「福島周辺の各県の野菜の一部から基準を上回る放射性物質が検出され出荷制限」、「水道水から放射線物質が基準を超えて検出されることがある」、「野菜、水道水などで風評被害が発生する」、「すでに日本に入国する観光の外国人が減っている」、「微量ではあるが、日本各地で放射性物質が検出されている」、「関東地方(広く50Hz帯の意味もこめて)は計画停電を実施している。今夏も電力が不足し、23区を含めて計画停電をする」、「電力不足は2年くらい解消されないだろう」、「日本各地の原子力発電所にも問題が飛び火して、定期検査から運転に移行できない箇所が出てくるので、日本全国が電力不足になるのでは?(推測)」、「計画停電による直接的な経済損失が発生している。しかも、今後も継続的に」・・・。などなど、書き出すときりがなく、自体は収束に向かうどころか、悪化を防止するというレベルで、毎日悪いニュースが追加されます。

 参考になる情報として、ある学者さんの考えとして、付近で1000マイクロシーベルト(毎時)が検出されたら緊急脱出。100で準備。安心していいレベルは一般人で1マイクロシーベルト(毎時)、妊婦で3ということでした。昨日のユーストリーム「【特別番組】あえて最悪のシナリオとその対処法を考える」というので専門家の話です。(数字については、私自身では検証できないので、各自で判断をしてください)付け加えるのであれば、報道発表でよくレントゲン1回分とかCT1回分という表現をしますが、これは外部被爆のことであり、内部被爆では事情が違うということです。もちろん、放射能は距離の二乗に反比例するといわれていますが、放射性物質が飛んできて、皮膚についたり、体に取り込んでしまうと、距離などは関係がなくなるでしょう。また、レントゲンのような短時間の放射線と、長期間の内部被爆では、確かに同じで比較するのは、どうだろうかと思います。わかりやすくするための言葉とは思いますが、誤解が生じるのではと思います。

 さて、本題の「東京電力は事業の継続が可能なのか」ということです。英紙フィナンシャル・タイムズの記事です。「英紙、東電は国有化も 事故の巨額補償で(http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011032101001054.html)」というニュースがありました。3月21日の記事です。記事によれば、社説で「東日本大震災による福島第1原発の事故に関連した巨額の補償で、東京電力は「現在の形態で存続できないだろう。国有化される可能性もある」と指摘したとのことです。

 株価の動きをみますと、3月11日の終値が2,211円で、翌日から急降下をし、25日の終値は846円です。額面が500円の株なので、急落もそうですが、かなり危機的な数字です。株の配当についても、下期分の配当の予定額30円は未定になったとプレスをしています(http://www.tepco.co.jp/cc/press/11032302-j.html)この辺りは、株主総会あたりでも、かなり攻められるでしょうし、厳しい状況です。また、格付けもAAプラスからAAマイナス(R&I)になりました。

 また、東京電力の業績予測の現時点の最新は1月31日のものと思うのですが、この中で連結の純利益の予想は、110,000百万円(1100億円)とのことです。(http://www.tepco.co.jp/cc/press/11013102-j.html)また、この災害は補償や廃炉等の措置を含めて、想像もできないが、数兆円規模となるのは間違いないとのことです。ある記事によれば、東電は手元に6700億円資金があり、2兆円の緊急融資を受けるとののことです。(http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819591E0E1E2E2908DE0E1E2E1E0E2E3E39F9FE2E2E2E2

 また、25日の枝野官房長官の会見で、『巨大な自然災害などの場合に電力会社を免責する原子力損害賠償法(原賠法)の例外規定が福島第1原発の事故で東京電力に適用される可能性について「社会状況からありえない」と明言した』とのこと。原子力損害賠償法では以下の規定がある。この但し書きの「巨大な天災地変・・・、この限りではない」ということが、例外規定で、これが適用されないのであるから、原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずるとなり、東京電力が賠償責任を持つことになる(賠償措置として、保険で1200億円は出るような仕組みがあるようである)

責任の所在
「原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によって生じたものであるときは、この限りでない」(3条1項)

参考1:東電に賠償免責の適用ない 福島第1の補償で官房長官 - 47NEWS(よんななニュース)(http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011032501000993.html
参考2:原子力損害の賠償に関する法律(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E6%90%8D%E5%AE%B3%E3%81%AE%E8%B3%A0%E5%84%9F%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E6%B3%95%E5%BE%8B

 この枝野発言を受けて、週明けのマーケットがどう反応するかが一つのポイントである。東京電力には良い情報はないし、国が東電の無限責任を認める発言をしたのだから、相当値が下がるのではないかと、個人的には予想する。

 どうだろう、東京電力は今のままでいけるだろうか?まず、財務的に持たないのではないかと予想する。増え続ける被害とそれにともなう補償額、今後数年かかる原子炉廃炉までの長い道筋と放射線。見通しすら立たない現状・・・。

 東京電力が倒産して、電気が止まるということはないので、東京電力が一時国有化される可能性はあると思う。それは福島の対応で、補償額が見え出したときか、資金繰りができなくなったとき。あるいは6月の株主総会もポイントだろう。東京電力で補償できる能力以上の金額を補償しろということになれば、東京電力を一時国有化して、再建させるという道筋はリアリティがある。また、そうなったときの電気料金への上乗せやあるいは税負担という問題も出てくる。

 電力業界で東京電力はリーディングカンパニーであるから、東京電力の影響は地方の電力会社へも少なからずあるだろう。関西電力あたりがこれからは引っ張っていくかもしれない。また、原子力の問題は東京電力だけの問題ではない。各電力会社も原子力発電所を運転している。すでに定期検査が終わった原子力発電所の運転再開延期や九州電力エリアで計画停電は否定できないという発言も出ている。

 本題から少しずれるが、日本の国策としてすすめてきた原子力発電の問題を公共性は高いとはいえ私企業の電力会社に、すべてを負わせるというのは、いかがなものかということ。原子力の問題はミクロで各地で推進派と反対派が地点について新設について争っているが、まずは日本国として、今後のエネルギー政策から原子力をどうするのかというマクロを示して欲しい。

 ながくなったので、一旦はこの辺で。
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 福島の原子力災害が続いている中、インターネットの中では原子力についての議論が交わされている。また、反対派はプロパガンダをすすめている。推進派は声をひそめている感じがする。

 2つの選択肢のうち、どちらも受け入れがたい状態を「ジレンマ」という。原子力の問題は、選択肢が3つある状態で「トリレンマ」という。場合によっては「トリレンマ」以上である。

①原子力発電は基本的には危険なものである(制御する)
②地球温暖化の犯人は二酸化炭素といわれており、化石燃料を使わない原子力発電は、二酸化炭素削減の切り札。
③化石燃料(特に石油)は中東に頼っており、エネルギーセキュリティー上多様化が望ましい。
④化石燃料は埋蔵量に限りがあるといわれている。(昔から40年というが・・・)
⑤ウラン燃料の燃えかすを再処理することで、プルサーマル、MOX燃料として利用することができる(プルトニウムを処分しなければならない理由もあるらしいが)
⑥エネルギーの消費の成長は鈍化してきたが、これからもゆるやかに増加していくため、電源が必要である。

 今までは①の危険な原子力を安全に制御できることを担保して、②~⑥のメリットをとってきた。

 今回、①の安全の問題が揺らいだことで、「原子力」という選択ができなくなる可能性がある。しかし、②の二酸化炭素は増やすことができないので、エネルギーの消費を減らすか、二酸化炭素を処分する技術が必要になる。③のエネルギーセキュリティーは、中東依存をやめて、天然ガスにシフトすることで回避できるかも知れない。④化石燃料の埋蔵量の話は、あてにならないので無視。⑤原子力発電所を停止しなければプルトニウムは製造されるので、処分は考える必要がある。⑥は省エネルギー技術が発達するか、日本の経済成長を停止することで実現できるかもしれない。

 一般に言われることであるが、代替エネルギーを太陽光や風力に求めるのは難しい。自然エネルギーは天候に影響されるので安定性に欠けること、エネルギーの変換効率が悪いことからである。100万kWの原子力発電所1基分のエネルギーを作るには、太陽光であるならば山手線の内側の面積と同じスペースに太陽光パネルを取り付ける必要があるようである。風力であれば、山手線内側のスペースの3.5倍で4,000基の風車が必要になるようである。(http://www.tepco.co.jp/nu/qa/qa01-j.html

 もちろん、自然エネルギーはもっと活用されるべきであり、今後、スマートグリッドなどの送配電ネットワークがITで整備され、分散型電源は増えると思います。しかし、これも大型電源というものがベースにあって、電力のピークをカットするという使われ方になると思うのです。エネルギーの変換効率があがっても、大きな技術革新がなければ、自然エネルギーだけではまかなえないのが現実ではないでしょうか。

 それならばどうするか。安全を犠牲にはできない、環境を犠牲にはできない、経済成長もしたい。原子力の問題はトリレンマなのです。

 福島の原子力発電災害をよくみて、日本国は「選択」をしなければならないのです。

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